KOBE ART MARCHE

 meets KOBE ART MARCHE meets KOBE ART MARCHE

「KOBE ART MARCHÉ」と同時開催される公募展「Artist meets Art Fair」は、若手アーティストの新たなステージへの挑戦を後押しするプログラムとして開催を重ね、多くのアーティストが、神戸から広いアートマーケットの世界へと羽ばたいていきました。
本記事では、「Artist meets Art Fair」入選者たちが、当時どんな思いで応募に踏み出し、そして、その後どのような道を歩んでいるのかをご紹介していきます。

今回は、2025年開催の第10回「Artist meets Art Fair」一般枠で入選されたohasu.さんにお話を伺いました。応募に至った背景、入選作について、そして応募を検討している方へのメッセージなど、さまざまなお話をお聞きしました。

 meets KOBE ART MARCHE meets KOBE ART MARCHE

応募のきっかけは何でしたか?
自分の作品が周りにどのように見てもらえるのかを知りたい、という気持ちが大きかったです。多くの人の目に触れることで、自分の作品のクオリティが通用するのか試したいと思いました。

そんなとき、Instagramで流れてきた広告で「Artist meets Art Fair」を知りました。「KOBE ART MARCHÉ」自体は以前から関心があり、知人が出展していたこともありましたが、公募展への応募は今回が初めてです。

多くの来場者や芸術家、コレクターの方々に作品を見てもらえる貴重な機会として、応募を決めました。
入選の知らせを受けた際のお気持ちはいかがでしたか?
率直に嬉しかったです。

そのときは応募者数や倍率も分からなかったので、出展ギャラリーからのコメントをいただいて「通過したんだな」と実感できた瞬間、素直に喜びを感じました。自信は少しありましたし、「いけるんじゃないか」とうっすら思っていた部分もありました。
入選作品について、コンセプトや制作時の思いを教えていただけますか?
私はこれまで、約10年にわたり、町並みや路地裏などをテーマに絵を描いてきました。今回の応募にあたっても、自分の得意分野であるペン画で勝負したいと思い、いつも通りのテンションで制作しました。特に気合を入れたわけではなく、偶然、下書きの中でちょうど良いものが二点あり、もう一枚は応募用に新たに描きました。

街歩きが好きで、古い町並みや飲み屋街、町の中の室外機、消火器、屋根の上のアンテナ、電柱や電線など、細かいものを見つけるとときめきを感じます。もともと細かく描くのが好きで、自分の好きな町を自分なりに構成して、独自の作風や雰囲気を持たせながら描いています。モデルとなる風景はあるものの、最終的には完全にオリジナルの景色として仕上げています。
展示会期中、印象に残ったことはありますか?
初めて作品を見に来てくださった方が、第一印象ですごく喜んでくれた瞬間が印象に残っています。

会場では購入を迷われている方も多く、私自身は「本当に作品が売買される場なんだ」と驚きました。普段は展示した作品に値段をつけて販売することもありますし、ZINEなどのグッズ販売も行っていますが、いつもの即売会とはまた違う空気感でした。

「KOBE ART MARCHÉ」では、比較的ご年配の方も多く訪れていて、いつものイベントより幅広い年代の方々に見てもらえたのも嬉しかったです。お客さんと作品について話す時間は、とても楽しく感じました。

例えば、町並みを描いた作品では、看板や張り紙に描かれた文字に注目して「面白い」と言ってもらえたり、作品の中に隠れた猫を「ウォーリーを探せ」みたいに楽しそうに探してくれる方もいました。こうした遊び心は狙って入れていて、描いた町の中に入り込みたくなるような感覚や、世界をのぞきたくなるような気持ちを味わってほしいと思いながら制作しています。猫や魚などの小さなネタも、単に描くだけでなく作品の“フレーバー”として加えています。
来場者の投票で、オーディエンス賞を受賞されました。おめでとうございます!
ありがとうございます!シンプルに喜びが大きかったです。たくさんの方に選んでいただけて嬉しいです。今後の糧にできたらと思っています。
「Artist meets Art Fair」はギャラリーとのマッチングも魅力です。その後の展開について教えてください。
正直、応募前は「本当にマッチングなんてできるのかな?」という漠然とした不安がありました。でも、会期後にたくさんマッチング希望のオファーをいただいたときは、「本当にマッチングするんだ!」と心から嬉しかったです。これまでは、漠然と自分でギャラリーを探して展示をするというスタイルだったので、この機会に一気にマッチングが実現できたのは、本当に大きなメリットでした。

現在、いくつかのギャラリーとやり取りを続けています。ギャラリー側のタイミングもありますから、中には「来年はもう予定が埋まっているから、再来年に個展をやりましょう!」と、具体的に話を進めているところもあります。

こんなに多くの作品が売れて評価されることはなかったので、展示が終わった後はしばらく現実離れしていて、夢のようでした。ぽかーんとしてしまうほど、衝撃的な経験でしたね。
今後の制作について、どのような展望をお持ちでしょうか?
最近は、新しいZINEを作っていきたいと思っています。それに付随して、原画も徐々にできあがってくるので、原画の展示も少しずつ進めていきたいですね。フェスや手づくり市など、いろいろな場所で展示や販売を行うことで、作品がじわじわと広まっていく感覚も楽しんでいます。

ZINEは、画集のようなイメージでまとめていく予定です。漫画的な形式にも挑戦してみたいですね。コマや会話文が少ない、短い物語のようなものを作ってみるのも面白そうだと思っています。絵本や小話の制作にも興味があります。

また、少しずつギャラリーでの販売にも挑戦してみたい気持ちがあります。さらに、個人的に興味があるのは、古民家を丸ごと使った展示です。芸術祭のような場にも参加してみたいと考えています。
最後に、応募を検討しているアーティストの方へメッセージをお願いします。
芸術を志している方であれば、応募して損はないと思います。もし応募が通って出展することになれば、来場者の感想やギャラリーの方からのコメントなど、今後の活動にとって大きな参考やエネルギーになります。

作品を外に出すこと自体が、自分の制作や表現を見つめ直すきっかけにもなりますし、応募する価値は十分にあると思います。ぜひ勇気を出して踏み出してみてください。

ARTIST PROFILE

ohasu. さん

2014年神戸芸術工科大学卒業。どこかにありそうだけど無い様な、でも入り込んでみたいと思ってもらえる様な路地裏・街の絵を描く事をテーマとして描く。その中で、建物の屋根から伸びるアンテナや室外機・透かしブロックなど、モチーフに愛おしさを感じている。自分で「架空の街」を箱庭の様に考えるのが昔から好きだったので、その世界を絵にして色んな人達に見て欲しいという思いから始まったのが制作の動機。

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